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<第35回>
Steve Rappaport The ARF Listening Playbook
リスニング・マーケティング:
Social Media時代の新しい消費者調査 の第28回目です。
「第2章 ケース・スタディ:リスニングの活用」の第1回目です。
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リスニング自体、刺激的なことであるけれども、ブランド・パフォーマンスやマーケティング、広告に影響を与えるようにリスニングを活用することはそれ以上に刺激的である。
本書の読者の方は、スターバックスや、ジェットブルー、デルのようなブランドについて、よく引用されるサクセス・ストーリーでのリスニングの役割を十分ご存じだと思う。
これらのケースは、真正面からブランドをリスニングしている。
しかし、ここで疑問が生じる。つまり、リスニングがいかに価値のあるものか、あるいはないものなのかを判断するために、ブランドはどのようなリスニングの経験を持っているのだろうか。
そのために、次のようなリスニングを使った事例を探した。
①消費者インサイトを生み出している、
②ブランドによって活用されている、
③市場での結果や、特定のブランド・アクションが報告されている。
以下で取り上げる事例は、これらの基準を満たしたものである。
最も成功した結果を出した事例は、明確な目的と、リスニングの役割を定義した戦略を含んでいる。
多くのブランドは、オンラインと伝統的なメディアを組み合わせている。ソーソーシャル・メディアは、ますますそのミックスの要素の1つになってきている。
さらに、リスニング・リサーチは、単独で行われることは稀である。十分に有効なものにするために、その他のマーケティング・リサーチのソースや入手可能なデータと併せて行われる。
リスニンングの成功事例を見ると、次のような点が指摘される。
リスニング・リサーチは、
①あらゆる規模の企業や、既存のブランドから新ブランド、B2BからB2Cブランドに適切である、
②新規顧客の発見から顧客ロイヤルティに至るマーケティング目標の範囲をカバーしている、
③ブランド戦略や戦術に貢献し、困難でチャレンジングな課題にも役立つ、
④競合のリスクを評価するのにも役立つ、
⑤企業の評判を管理するだけでなく、企業やブランド、顧客に影響を与えるような課題を企業が解決することを可能にしてくれる、
⑥顧客のケアにおいて重要な役割を果たす、
⑦伝統的な「尋ねる(asking)」リサーチや、マーケティングの有効性の理解に豊富な内容を付加してくれるものである。
以上のような特徴に加えて、本書は、ブランドのリスニングが失敗する、次のような共通の特徴も発見した。
①企業の政策が時々、顧客サービスの方法に組み込まれている、
②選択して聞くので、普通では発見できないような課題を含む重要な会話を聞き逃すことがある、
③中心的な顧客のグループを特定できず、誤った質問を尋ねてしまう、
④十年前はベストな方法であったけれども、現在では時代遅れの戦略で課題に対応しようとする。ソーシャル・メディア時代に合わせて改善する必要がある、
⑤消費者の関心を発見しそれを表明するためにリスニングを行うだけでは不十分である。ソリューションが有効ならば、ブランドは、学習するためにリスニングを続ける必要がある、
⑥リスニングは、一般的なトーンを維持し、公的な議論を避ける必要がある。
以下では、リスニングによって、ブランドの目的が達成される順に事例を紹介することにする。
本章の目的は、ブランドのリスニング・プロジェクトを計画した時の参考となる情報を提供することである。
それでは、基本的な目的である「新規顧客の発見」から始めることにしょう。
*次週から、以下の項目にわけて、リスニングの適用例を紹介します。
1.新規顧客の発見
2.新製品開発とイノベーション
3.メッセージの形成と精緻化
4.既存製品の改善
5.販売モメンタムの維持
6.ブランド成長の動因
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