2010年6月24日木曜日

リスニング・ソリューション: 会話の構造化

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《第25回》


Steve Rappaport The ARF Listening Playbook

リスニング・マーケティング:

Social Media時代の新しい消費者調査 の第19回目です。

今回は、第3章 リスニング・ソリューション Listening Solutionsの

第2節 テキスト分析ソフトウエア・ソリューション Text Analysis Software Solutions その3です。



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3-4.情報の抽出


リスニング・プロジェクトへの注目の用語の発見は、人々や態度、ブランド、

ジオグラフィー、日付、数字、通貨といったものを特定する

「固有表現抽出」(entity extraction)と呼ばれるプロセスを通して実行される。


多くのベンダーは、競争力のある一連の機能を提供している。

一方、エンタープライズ・ベンダーは、 固有表現が、

特定のビジネスや市場、顧客、ブランドのために定義づけられ

抽出される機能を提供している。



3-5.会話の構造化:分類や、トピックス、サブ・トピックスやテーマ


テキスト分析のソフトウエアを使ったプロジェクトは、

通常は、ブランド関心と課題に焦点を当てたヒエラキーに、会話を構造化する。


そうすることによって、アドバンンテージを提供している。

例えば、トピックや議論されている特定の事や、

時系列分析のおける統一性が何であるかを明らかにしたり、

すべての異なった会話がどのように関連しているか見ることができる点である。

テキスト分析のソフトウエアは、高度なレベルの分類と、

さらにトピックス、サブ・トピックス、テーマに、

会話を構造化する決められた方法(ルーティン)を有している。


実際問題として、ソフトウエア・ベンダーは、ブランドのプロジェクト要求を

見たすことを保証するために、スキームを精緻化し、

微調整するためのユーティリィを提供している。



3―5-1 分類


言語が処理された後で、ソーシャル・メディア・テキストから

抽出された用語や、コンセプト、課題は、情報を高度なグループに

編成する分類スキームに振り分けられる。


テキスト分析のベンダーであるHarris Interactiveは、

IT企業のすばらしい分類スキーム例を提供している。(図42)



図42のそれぞれのボックスは、トップ・グループにおける

ハードウエアや契約、実行のようなトピックや、

第2のグループにおけるコストや価格、価値といったマーケティング課題や、

ビジネスの軽減、ブランドの信用性といったトピックで、

インフォーメーション・テクノロジー企業の機能的視点を提供していている。

分類を展開しているブランドは、スキームが完成し、

さまざまな組織的視点が反映された時、恩恵を受けることになる。



3-5-2. テーマやトピック、サブトピック


テキスト分析は、会話のテーマを特定し、さらに、

テーマをトピックやサブ・トピックに分類する決まった方法(ルーティン)を持っている。

痛みの緩和に関連したテーマの例は、人々が製品カテゴリーにおいて

話す話題の範囲や、ブランドによってそれらがどのように異なるかを示している。


両方の会話は、熱の減少や、ヒーリング、副作用の問題について語っている。

しかし、2つの異なったストーリーになっている。

タイレノールは子供の安全性やブランド信用、やさしさについて、

アドビルは、有効性についてである。



上のテーマから、安全性や有効性といった複数のトピックにまたがっていることがわかる。

そして、テーマはいくつかのサブ・トピックにグループわけすることができる。


例えば、安全性は、子供の安全性や製品の安全性といったサブ・トピックに分類される。

我々が手動で行ったことをベンダー・ソフトウエアの場合、プログラムがやってくれる。


ソフトウエアによるトピックやサブ・トピックの良い例として、携帯電話のブランドがある。



分類によって、トピックや、サブ・トピック、分析、報告が、

顧客サービスや、サービス・プラン、携帯といった携帯ブランドの

ビジネス課題レベルで可能であり、

さらに、顧客サービス課題における知識や対応、礼儀正しさといった

非常に小さな関心事にまで掘り下げることができる。



基本的な投稿メッセージやコメントに問題を掘り下げることによって、

トピックやサブ・トピックに分類するコメントへのアクセスが可能になる。

このようなテーマやトピックについての分析は、広告のメッセージングや、

関心を表したりブランドとのコネクションを強化するための

ユーザーのコミュニティへの関与のような多くの方法で使われる可能性がある。



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2010年6月17日木曜日

リスニング・ソリューション: テキスト分析ソリューション・キー

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《第24回》


Steve Rappaport The ARF Listening Playbook

リスニング・マーケティング:

Social Media時代の新しい消費者調査 の第18回目です。

今回は、第3章 リスニング・ソリューション Listening Solutionsの

第2節 テキスト分析ソフトウエア・ソリューション Text Analysis Software Solutions その2です。


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 3-2 ソフトウエア評価における重要なポイント



この4つのタイプのベンダーは、次のような点で異なっている。

すなわち、基本的なテクノロジーやアルゴリズム、価格、展開のオプション、

実行条件、組織的リーチ、特にスタッフの専門知識と

システム・サポートの必要性の点である。

ベンダーの選択は、リスニングを行うそれぞれの会社にとって

特定的なものでなければいけない。

つまり、企業やビジネス・ユニットのリスニングの目的や戦略に照らして、

これらの要因やトレード・オフの重要性や妥当性を評価しなければいけない。



3-3 テキスト分析:ソリューション・キー



リスニング・ソフトウエアは、今述べたようないくつかのキーとなる

特徴を共有している。

異なったベンダー・タイプ間の違いを明らかにする必要がある。



1)インフォメーション・コレクション



すべてのテキスト分析のソフトウエアによって、企業は、

ウエブやブログ、ソーシャル・ネットワーク・コンテンツ、写真や

ビデオサイトのタグ、ウイキ、ツイッターなどのさまざまなソースから

コンテンツの収集が可能になる。

Clarabridgeのようなエンタープライズ・ベンダーは、

コールセンターやチャット、サーベイ、メッセージ・ボード/フォーラム、

CRMシステムや、例えばデータ・ウエアハウスのような構造的ソースといった

クライアント内部の「ブランド・バックヤード」に存在するデータに

直接接続するといった革新的な方法を提供している。



セルフサービス・ベンダーや専門ベンダーは、

主に「消費者バックヤード」ソースからコンテンツにアクセスする

メカニズムを提供している。

あるベンダーは、Lexalyticsのように、定期的にクロール*されるURLの

パッケージを作成する機能を提供したり、

ClarabridgeやTechrigy SM2のように、特別のURLで増強された

ソーシャル・メディア・ソースの事前に構成されたデータベースへの

アクセスを提供している。

*クロール(crawl)ソフトウェアなどが自動的にWebページを収集する作業のこと



2)ウエッブ・コレクター(エージェントあるいはボット)のセットアップ



ベンダーの標準的なソースを使ったり、クロールするためのURLを特定するよりも、

会話の収集は、さらに進んでいる。

単にURLをクロールすることは、しばしば不適切な結果をまねくことが多い。

というのは、クロールは特定することを欠いているからである。

ギーゴ(garbage in, garbage out)*を最小限にするためには、

それぞれのリスニング・プロジェクトのための最も適切な情報を

探しだすための良い検索エージェントを構築する必要がある。

*GIGO (garbage in, garbage out)ガイゴー / ギーゴー / ガーベジイン・ガーベジアウト


これには、正しいあるいは、ほぼ正しいデータを抽出する

クエリー*を開発しテストを行い、調整するための事前の相当量の作業が必要である。

*クエリー:データベースへの検索要求


ベンダーによっては、エージェント・セットアップは、

複数のブール演算子(Boolean operators)や、

コンプレックス・ロジックを使うことによって、

非常に洗練されたものが可能である。

一般的には、エンタープライズ・ベンダーは、

より多くのオプションを提供している。

しかし、これに対する投資は、十分価値がある。

というのは、データの品質、ひいては分析する会話に基づく

インサイトや決定を改善してくれるからである。



3)テキスト処理のコンピュータ化



ソーシャル・メディアの収集のあと、テキストは 

自然言語処理(natural language processing)と

機械学習(machine learning)によって高速処理される。 

自然言語処理:人間が日常的に使っている自然言語を
コンピュータに処理させる一連の技術であり、人工知能と言語学の一分野


機械学習:人工知能における研究課題の一つで、
人間が自然に行っている学習能力と同様の機能を
コンピュータで実現させるための技術・手法のこと。


自然言語処理は、会話やコメント、タグなどの収集した

ソーシャル・メディア・テキストをコンピュータが処理し、

分析できるフォーマットに変換する一連のプログラムを含んでいる。

機械学習は、コンピュータがデータから学習するために

トレーニングされることを可能にしたり、リスニング・プロジェクトで

処理されるすべてのデータに一貫したルールを適用する

アルゴリズムを含んでいる。

このように、新しいデータの付加は冒険ではなく、標準化と反復のプロセスである。


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2010年6月10日木曜日

リスニング・ソリューション: テキスト分析ソフトウエア・ベンダーの4タイプ

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《第23回》


Steve Rappaport The ARF Listening Playbook

リスニング・マーケティング:

Social Media時代の新しい消費者調査 の第17回目です。


今回は、第3章 リスニング・ソリューション Listening Solutionsの

第2節 テキスト分析ソフトウエア・ソリューション Text Analysis Software Solutions その1です。
 
 
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テキスト分析ソフトウエア・ソリューション



テキスト分析ソリューションの目的は、リスニング・プロジェクトのすべての側面を

手助けすることである。

例えば、会話の収集や、会話の構造化やマイニング、トピックやサブ・トピック、テーマ、

センチメント分析、キー・プレイヤーのトラッキング(例えば、人々やブランド、企業)、

分析やレポート、コラボレーションやブランドがインサイトに基づいて

活動することができるようにするワークフロー・ツールなどである。




リスニングに対する組織的ニーズや要求はさまざまであるので、

テキスト分析業界は、価値や製品、サービスを差別化すると同時に、

ニーズを満たすために常にイノベーションを行っている。



3-1.ベンダーの4つのタイプ


市場で利用可能なソリューションを検討した結果、

テキスト分析のベンダーを次の4つのグループに分類した。


1)エンタープライズ・ベンダー: 中規模から大企業をターゲットとする

2)セルフ・サービス・ベンダー:すべての規模の企業に対応する

3)専門ベンダー:1つか2つの領域に特化している

4)オープンソース・ベンダー:ソーシャル・メディア分析能力を

導入したい企業のためにツールを提供する


これらの企業の焦点が何であれ、彼らの目的は、

企業がその内部のリスニング能力を育成することを手助けすることである。




エンタープライズ・ベンダーは、通常、テキスト分析のプラットフォームを

提供する企業と考えられている。

それは、さまざまなビジネス・ニーズをサポートし、

その他のコンピュータ・ソフトウエア・システムや、

顧客が持っているCRMや営業・マーケティング・システムのような

データベースと密接に関連している。


例えば、Attensityというベンダーは、

「アクションを引き起こすためのテキストを活用する能力を通して、

組織が重要なビジネス要求を発信することを手助けしている」。


彼らの製品ポートフォリオは、

企業がリスニングを行ったり(Attensity Voice of the Customer, Attensity Market Voice)、

聞いたことに反応したり((Attensity Response Man agement, Attensity E-Service Suite)、

リサーチや発見をしたり(Attensity Research and Discovery)、

リスク・マネジメントやコンプライアンスを行ったり(Attensity Risk & Compliance)、

トレンドやパターン、関係性を発見したり(Intelligence Analysis)

することを手助けしている。


エンタープライズ・ベンダーは、伝統的にクライアントのIT環境のもとで

使用を許可され実行できるソフトウエアを提供している。


その多くは、今日、専門的に管理しホストとなる構築が容易なプラットフォームを

求めているクライアントへの代替サービスとして、ソフトウエアを検討し提供を行っている。


せルフ・サービス・ベンダーは、ツールの収集と、エンド・ユーザーがモニターを行い、

分析、報告を行えるようにする機能を提供している。


これらのベンダーは、ブラウザやインターネット接続によって

利用可能なサービスとしてソリューションを提供している。


Trenrrといったベンダーは、プログラマー・インターフェースを通して、

企業のデータ・ソースと、モニターを行うソーシャル・メディア・ソースとを

統合する方法を提供している。



リスニングの人気の拡大から、この分野では、その多くが投資家の支援を受けた

新規企業の参入が急激に増加している。


新規企業であるTechrigy社は、リアル・タイム・ソーシャル・メディア・モニタリングや、

センチメント分析、ディスカッション・クラスタリング、カスタマイズ・レポーティングなどの

提供を行っている。



専門ベンダーは、非常に特定の分野に焦点を当てている。

例えば、人々や企業の意見(Jodange)や、

ブランドやブランド特性についてのセンチメント(GeeYee)、

役員レベルの人のモニタリングや意思決定のための

センチメント・ダッシュボードの構築(General Sentiment)などである。



オープンソース・ベンダーは、テキスト分析を行うためのフレームワークや

コンポーネント、サービスの提供を行っている。


これらは、通常、ソフトウエア・ソリューションに属性の追加を行いたい

プログラマーによって行われる。


技術的な話なので、ここではこれ以上議論を行わないけれども、

主なツールとしては、以下のようなものがある。

GATE,

Yale/RapidMiner,

UIMA (unstructured information management architecture, a component framework) and

UCompare

 
 
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2010年6月3日木曜日

リスニング・ソリューション: メディア・モニタリング

◆ リスニング・マーケティング


  Social Media時代の新しい消費者調査 の第16回目です。


今回は、第3章の1-3.メディア・モニタリングです。


第3章 リスニング・ソリューション Listening Solutions

0.リスニング・ソリューションのタイプ Types of Listening Solutions


1.検索エンジンとメディア・モニタリング

       1-1.総合検索エンジン:ソリューション・キー


       1-2.リアルタイム・サーチ:ソリューション・キー


    1-3.メディア・モニタリング

2.テキスト分析のためのソフトウエア・ソリューション Text Analysis Software Solutions

3.フルサービス・リスニング・ベンダー Full-Service Lsitening Vendors

4.オフラインとオンラインの口コミ Offline and Online Word-of-Mouth

5.バズ会社と口コミ・プログラム Buzz Agencies and Instigated Word of Mouth Programs

6.個別のブランド・コミュニティ Private Branded Communities



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1-3. メディア・モニタリング: ソリューション・キー




メディア・モニタリング・サービスは、「エイジェント」や「ボット」を使って自動的に

オンライン上の情報をモニターし、ストリーや投稿、会話が関心のある

ワードやフレーズを含んでいるときにアラートを送るものである。

今日のシステムは、もともとはマーケティング・サポートから

レピュテーション・マネジメント(風評被害防止)に及ぶ

PRのニーズに対応したメディア・モニタリングの長い伝統に起源を持っている。



1)メデイアの範囲



オンラインのアラート・システムは、検索のために使用する

メディアを選択する基準を持っている。

システムは異なっており、各ベンダーの国内的や国際的な強みと

弱みを理解することは重要である。

あるベンダーは、得た結果ができるかぎり妥当なものであることを

保証するために、特定のメデイアを除く機能を持っている。

さらに、ある製品は、エンドユーザーが特定のURLを追加できるようにしている。



2)用語やフレーズの特定



メディア・モニタリングの価値は、ブランドに絶対必要である用語やフレーズを

選択できる点にある。

通常、これらには、消費者言語や、ブランド用語、コンセプト、競合、

広告/マーケティング・プログラムや、スポーツ・チームといった一般的関心事が含まれる。

キーとなる関係者や組織、政府、行動を含むかもしれない。

検索は、ワードとして特定されるかもしれない、あるいはより正確に、

ブール検索論理で表されるかもしれない。



3)結果や分析、レポーティング



モニタリング結果は、それぞれの探索のURLリストから、

要約やフルテキストなどさまざまである。



分析とレポートは、ヒット数のような基礎的なものや、

自動的に計算される言及数や、ソース、ボリューム・トレンド、

リーチのようなメディア測定といったものから、

シェア・オブ・ヴォイスやセンチメント、

例えば、個々のブランドや競合についてのキー・メッセージや

プロミネンスなどが含まれる。



4)レポート頻度や配布、統合



モニタリング・サービスでは、多くの場合、ユーザーがアラート頻度を

特定することが可能である。

通常は、その範囲は、「生起した時」や、毎日、1週間ごとである。

リスニング・プロジェクトにおけるモニタリングの必要性によって、

適切な頻度は決まってくる。

結果の共有のために、Eメールの配信が一般には使われる。

新しいフィードやXML(Extensible Markup Language)フィードは、

ニュース・リーダーによって、結果を表示することができ、

WEBページやダッシュボードに統合される。

XMLフィードは、テキスト分析のような第3者のアプリケーションや

サービスによって、分析のためのインプット・ソースかもしれない。

多くの企業では、便利なように、集中型の結果の保管とアーカイブ化を提供している。



5)サービスのオプション:フルサービスと、セルフサービス



多くのメディア・サービス企業は、彼らのクライアントの検索を代行し、

結果を配信している。

前述のMelwater Newsの例のように、あるサービスは、

探索や検索用語を管理し、個人のコンピュータ上で結果を集中して

管理できる能力をもったデスクトップ・アプリケーションを提供している。

 
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