●デジタル・コンシューマーを探究する上で、
インターネット調査は欠かせません。
早くて、安く調査を行う大きな利点があります。
●自著の『図解入門』80-81頁でも、
ネット調査の問題点を指摘しました。
日本での検証調査も紹介しました。
●アメリカのARF(Advertizing Research Foundation)は、
一昨年ネット調査の信頼性と代表制についての
大規模な検証調査を行いました。
17のオンライン・パネルと
電話/郵送調査の結果を
2つの期間で比較することによって
その信頼性の検証を行いました。
同一パネルの2つの期間の結果には一貫性が
見られたけれでも、パネル間の結果には
大きな違いがあり、
さらに電話/郵送調査とも異なった結果で
あったと報告しています。
1人の対象者が複数のオンライン・パネルに
重複登録する問題点や、
回答の信頼性などが検証されています。
繰り返し調査に参加する、
いわゆる「Professional respondent」の問題が
指摘されています。
●USのDMS Insightsというオンライン調査会社が、
Professional respondent対策として、
リバー・サンプリング法River samplingを提唱しています。
フレッシュ・サンプルで、代表性を出すために
複数のサイトから、その利用者に対して、
広告などを通して、調査対象者をリクルートする方法です。
事前にオンライン・パネルに登録された人々ではありません。
その限りでは、フレシュ・サンプルと言えます。
●しかし、厳密に言えば、抽出フレームのベースが
インターネット利用者集団であり、
それが全人口を代表するものではない点において、
その「代表性」には疑問が持たれます。
●リバー・サンプリングの問題点の詳細については、
USの代表性のあるオンライン・パネルの提供を標榜する
KnowledgePanel®の担当者が書いた、
River Samples: A Good Catch for Researchers? を参照。◆
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