2010年9月9日木曜日

プライベイト・ブランド・コミュニティ

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<第33回>

Steve Rappaport The ARF Listening Playbook

リスニング・マーケティング:

Social Media時代の新しい消費者調査 の第26回目です。

今回は、第3章 リスニング・ソリューション Listening Solutionsの

「第6節 プライベイト・ブランド・コミュニティ」です。

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第6節 プライベイト・ブランド・コミュニティ




プライベイト・オンライン・コミュニティでは、条件にあった顧客や見込み客を招待し、質問を行ったりテーマを与えたりなどの直接的方法で、ブランドへの関与を高めたり、自由で自然な構造化されていない方法で、ソーシャル・メディアを利用して、彼らの関心によって、コミュニティ・メンバーの関与を高めたりする。



この点において、コミュニティは、「ブランドのバックヤード」ソースとして位置づけられる。



6-1.プライベイト・オンライン・コミュニティ:ソリューション・キー



コミュニティを運営している企業は、マーケティング・リサーチのための大規模な「生活ラボ」を管理する。



少なくとも1カ月から数カ月あるいはそれ以上参加しているメンバーが存在すれば、コミュニティによって、ブランドが、複数のプロジェクトを同時、あるいは革新的に進行させたり、非常に貴重な中心的顧客がある一定期間行う議論を傾聴することが可能になる。



コミュニティは、顧客インサイトや、ブランド戦略、新製品やイノベーションの開発に役立つものである。



CommunispaceやRipple6のような初期設定が不要なフルサービスベンダーから、必要に応じてソフトウエアやサービスを提供するPassengerのような企業まで、コミュニティのサービスはさまざまである。



Vision CriticalやMarketToolsといったコミュニティ・ベンダーは、マーケティング・リサーチの深い理解に基づいてコミュニティを構築している。



コミュニティ・メンバーのリクルートと、メンバー資格、メンバー・アカウントの有効化



選抜的リクルートが、プライベイト・オンライン・コミュニティを特徴づけるものである。



ベンダーは、参加者を招待し、管理し、リクルートを行い、条件を絞り、会員化するためのツールを提供している。



例えば、女性だけのコミュニティであるSheSpeakesの登録フォームには、以下に示すように、名前や、連絡先、趣味、関心のある商品、属性、応募動機が含まれている。



コミュニティを構築する企業は、リクルートメントの基準を設けており、顧客リストからリクルートを行う。



調査の目的によって、外部のデータベースからリクルートを行ったり、参加者の知り合いを紹介してもらったりもする。



他のグループ同様、自然減少が起こったりする。そして、コミュニティの目的は時間とともに変化する。



参加者のリクルートメント戦略は、このような変化を考慮する必要がある。



属性や態度、ブランド経験などの条件がクリアされれば、メンバー・アカウントが有効になる。



Communispaceのデクレクターであるマニラ・オースティンは、次のようにアドバイスを行っています。ネットワークで、ひとたび不同意や批判―これらは議論の幅を広げる意味では重要なことであるーを許す場合、



「文化的な基本原則やお互いを尊重する行動規範の設定を行い、メンバーに呈示するルールがあります。



必要があれば、それらの人々をその行動のゆえに無効にしたり、コミュニティからの脱退をさせたりします。」(オースティとのインタビューより)



メンバー・アカウント



コミュニティは、さまざまなツールや機能をメンバーに提供を行う。



それらには、個人的なホームページや、好み、プライバシー・コントロール、グループやフォーラムへのアクセスやそこでの活動などが含まれている。



ソーシャル・ネットワーキング



コミュニティ・ベンダーは、多くのソーシャル・メディアの機能を提供している。例えば、ホームページや、プロフィール、ピープル、コンテンツとグループ・サーチ、ブログ、ディスカッション掲示板とフォーラム、コンテンツ・クレイエーションと共有、レイティング、レコメンデーション、フェイバリットやトップ・リスト、ステータス更新、グループ・クリエーションとマネジメントなどである。



マーケターは、関心のある特定のブランドのグループを構築する。



多くは、メンバーの関心が沸き起こったり、グループを作ったり参加することによって、この「トップダウン」アプローチを補完するものである。



マーケティング・リサーチ機能



マーケターは、リサーチを行うためにコミュニティを活用する。



コミュニティは、投票やサーベイといった定量的ツールや、アイディアを出したり、日記やジャーナル、イメージを共有する定性的ツールを提供する。



これらのツールは、さまざまな目的のために使われる。例えば、コンセプトやパッケージ、メッセージ、ストーリーボード、編集内容、ブランド関連などのテストである。



6-2.参加者のエンゲージメントの促進



インサイトを探る上で、ブランドについて尋ねることと、メンバーの自発的な会話の傾聴との間のバランスをとることが重要である。



Communispaceのマニラ・オースティン・ディレクターは、インタビューの中で次のように語っている。「コミュニティのメンバーが自身の話題について会話を行っている時こそ、彼らや彼女らがより深い関与を示している時です。

クライアントが特別に知りたいことを議論している間に、メンバー間の会話を傾聴することによって、その深い関与のゆえに貴重なインサイトをしばしば得ることができます」



プラットフォームの提供



多くのベンダーは、プラットフォームをサービス型ソフトウエア(SaaS)として提供している。それによって、オンサイトでのインストールやサポート、メンテナンスの必要性を取り除くことが可能である。



分析とレポーティング



ウエッブやデータに基づき、登録やログインを必要とするオンライン・コミュニティによって、多くのベンダーが、グループ・レベルやある期間のコミュニティ間の活動をうまくトラッキングやレポーティングする機能を提供することができる。



これらには、登録や社交性といったコミュニティ・ヘルスや、グループ設立、コンテンツの共有、ブランド・リサーチ活動への参加率といった重要なデータが含まれている。



ベンダーによっては、会話の分析は、自動化や総合化され、ブランドやコミュニティの専門家である分析者によって行われる。



ある企業は、最新の活動や統計、トレンドのためにダッシュボードやウエッブペイジを提供している。



コミュニティ管理とマネジメント



コミュニティ・ソフトウエアは、カスタマイズや構成のためのモジュールの提供や、管理者やモデレータの提供、グループや話題の設定、セキュリティの確保などを提供する。



専門的なサービス



多くのコミュニティ・プラットフォームは、すぐに使えたり、エンドユーザーがカスタマイズできる一方、プランニングや実行、分析、評価、価値の抽出のための専門的なサービスが必要とされている。



ベンダーは、直接そのようなサービスを提供したり、サービス・パートナーとしての関係を通して行う。



ブランドはまた、コミュニティの専門家を使っている。



提供される専門的なサービスは、多岐に渡っている。



サービスを提供しているベンダーは1つかそれ以上のブランドやコミュニティ、メンバーのニーズを提供している。例えば、戦略的プラニングや、コミュニティ・デザイン、メンバー資格基準とリクルートメントプロセス、メンバーエンゲージメントの促進、フォーラムのモデレーションとコメント、マーケティング・リサーチ、分析、レポートと要約、トレーニングとサポートなどである。



さらには、ユーザーの経験に焦点をあてたカスタム・アプリケーションやウエッブ開発やデザイン・サービスが含まれている。




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