●今回は、ARFのThe ARF Listening Playbookの
「第4章 最先端: リスニング・マーケティングと、メディア戦略、組織デザイン」の
第6節の紹介です。
1.会話量シェアと市場シェア
2.結果の予測
3.会話の貨幣的価値
4.注意事項: 販売の予測におけるセンチメント(好意度)の役割と、データの品質
5.リスニングによるメディア・リサーチ、視聴者ターゲティング、プラニング、広告テスト
6.組織デザインと展開
7.リスニングの可能性
が続きます。
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6.組織デザインと展開
リスニングによって、顧客の声がブランドに届けられるので、
組織は、顧客の声やインサイトの共有を助けたり、計画を立案したり、
人々やブランドが利益を得るような方法で対応するような関係性や
構造を構築する必要がある。
恐らくリスニング導入の初期段階の状況を反映して、
本書のためにインタビューを行った人々、
すなわち、広告主や代理店、メディア会社の活動的なリスナーの人々は、
彼らやそのクライアントが、インサイトを活用したり、
それに基づいて行動するようには適切に組織化されていないことを認めている。
このことは、2009年の11月に行われたARFの産業界リーダー・フォーラムで
確認された。
そこでは、リスニングが、トップ・マネジメントの関与や、
新たな組織構造、プロセスや継続性が必要な新たな業務方法であるというよりも、
多くの場合、これまでと同じ方法でプロジェクトを遂行する方法として
考えられていることに気づいた。
しかし、レゴのような会社も存在している。
以下はレゴ社のお話である。
(1)リスニングを中心に組織を再編したレゴ社
レゴ社は、電子ゲームやインターネット・ゲーム市場での
厳しい競争によるプレシャーにさらされている。
レゴ社は、フォーラムやブランドの支持層に対するリスニングによって、
熱狂的なコアな顧客層が存在することを発見した。
フォーラムごとに示された彼らの集合知や熱意、判断は、
企業内部にいる人間以上のものであった。
経営層は、ビジネスのすべての局面を再検討し、
消費者参加を制度化することを行った。
その結果、レゴ社は、平等な権限をもつ4つのラインからなる組織に再編された。
それらは、コミュニティ教育・指示部門や、管理部門、サプラインチェーン部門、
営業/マーケティング部門の4つである。
レゴ社の組織再生はおそらく例外的なケースであるけれども、
リスニングに真剣に取り組むことは、単にそれを既存の部門や機能、
プロセスに付加したり、通常のビジネスを行う以上のことである事実を
レゴ社の例は物語っている。
注目すべき分野は、適切なスキルと情熱をもち、人々について学ぶことに
献身的であるスタッフのリスニング組織への配置である。
リスニングには、リサーチを行ったり、概念化や分析、コミュニケーションの
新たなスキルが必要である。
それはプロジェクトのデザインを行ったり、技術的に実行するためのスキルである。
それには、正しい情報を発見するための探索方法を創造したり、
非常に大量のデータの分析を行ったりすることが含まれる。
2009年10月のARFの産業界リーダー・フォーラムの時に、
今後リスニングを採用していこうとしている企業は、このことを理解したようである。
技術面を超えた異なった視点を持つことが必要である。
例えば、Crispin Porter + Boguskyといった成功した広告会社には、
文化人類学者やジャーナリストその他のスタッフがいて、意味を解読したり、
ストーリーを語ったり、クロス・カルチャー的に働いたりして、行動のための
リスニングに基づいた戦略やプログラムを展開している。
経験豊富なリスナーは、継続的にリスニングを行うことによって、
消費者がどこにいて、どこに向かっているのかや、どのように協調してゆくか
といった感覚を発達させている。
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