●今回は、ARFのThe ARF Listening Playbookの
「第4章 最先端: リスニング・マーケティングと、メディア戦略、組織デザイン」の
最後の第7節の紹介です。
1.会話量シェアと市場シェア
2.結果の予測
3.会話の貨幣的価値
4.注意事項: 販売の予測におけるセンチメント(好意度)の役割と、データの品質
5.リスニングによるメディア・リサーチ、視聴者ターゲティング、プラニング、広告テスト
6.組織デザインと展開
7.リスニングの可能性
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7.リスニングの可能性
経済史における新たなインフラの適用や変革についての短い教訓を紹介して
本章を終えることにする。
現在では想像しづらいだろうが、1880年以前の工場の機械には、
モーターが装備されていなかった。
動力は、天井からつるされたシャフトによって回転する運転ベルトで
生み出されていた。
天井を見上げると、うるさくて油まみれの回転するパイプと、
吊るされた皮の輪を見ることができた。
当時の工場では、動力源を生み出す必要性によって生産は調整されていた。
そして、工場は動力を機械に分配、伝達していた。
動力が中断したりベルトが壊れると修理が行われるまで、オペレーションは中断した。
電化によって、これは一変した。
1880年から1930年にかけて、電力発電と電力モーターが登場した。
このことは、工場の機械が個別に動力を得て駆動することを意味した。
これは重要な意味を持っていた。
というのは、電力がもたらす新たなインフラによって、
ビジネスの再構築が起こるだろうと、経営者たちが気づいたからである。
彼らの焦点は、仕事の再編や全体的効率の向上といったこれまでの
主な関心事から離れて行った。
コスト削減は利益につながるけれども、最優先課題ではなくなった。
過去30年間、ビジネスの世界では「工場における数々のイノベーションと
より柔軟な生産方法」が開発されてきた。
それによって、よりよい方法で市場のニーズを満たすことが可能になった。(Devine1983)
ここでの「電化」を「デジタルインフラ」に、
また「シャフトやベルト」を「伝統的リサーチ」に、
「設計や生産における数々のイノベーション」を「リスニング」に
置き換えて考えたならば、
我々が得た教訓、すなわちリスニングの可能性は明らかになる。
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