2010年3月23日火曜日

リスニング・マーケティング: Social Media時代の新しい消費者調査 (第7回)

●今回は、ARFのThe ARF Listening Playbookの


「第4章 最先端: リスニング・マーケティングと、メディア戦略、組織デザイン」の

第4節の紹介です。

1.会話量シェアと市場シェア(前回)

2.結果の予測 (今回)

3.会話の貨幣的価値

4.注意事項: 販売の予測におけるセンチメント(好意度)の役割と、データの品質

5.リスニング志向のメディア・リサーチ、ターゲティング、プラニング、テスティング

6.組織デザインと発展

7.リスニングの可能性

が続きます。 

**********************


第4節 注意事項: 販売の予測におけるセンチメント(好意度)の役割と、データの品質

擁護(アドボカシー)と影響(インフルエンス)を測定するために、次の2つの企業が用いている方法は、センチメント(好意度)をどう扱うかという重要な点において異なっている。

MotiveQuest社のオンライン・プロモーター・スコアは、多くの企業同様、センチメントを含んでいる。

これとは対照的に、オナリティカのマドソンは、そのモデルの中にセンチメントを含んでいない。場合によってはセンチメントを含めることもあるけれども、一般的には、センチメントを含めない方がよい結果を得ることができると述べている。

マドソンはその理由を次のように説明している。

「ブランドが好意的な文脈で語られたり、率直に推奨されたりすると、より多くの販売が期待されると考えられるだろう。他の条件が同じであれば、否定的よりは好意的な文脈で語られる方が、通常はブランドにとって好ましいと言える。しかし、ブランドが否定的な文脈で語られる時は、次の2つの相反する力が働くことを忘れてはいけない。最初の力は、否定的な力である。つまり、否定的な文脈なので、それを読んだ人はそのブランドに対して好意を持つ可能性は低くなる。しかし、 そのブランドについて述べられていること自体が、ブランドへの親しみを増し、消費者の心に中に強く残るゆえに、好意的な力が働くことにもなる。」

しかし、この2つの方法は、このような違いがあるにせよ、販売と高い相関関係があり、その予測力は高いと言える。

このことは、この分野のさらなる研究や議論の必要性と、ブランドにとって、リスニングの測定とモデル化の考え方を理解することが必要であることを強く示唆している。

上の例は、リスニングの結果が、「軽い」会話といったテーマ以上のものであることを意味している。

すなわち、リスニングの結果は、ブランドのパフォーマンスを理解するための貴重なモデリングや分析、予測に役だつ重要な「強固な」数字に置き換えることができる。



1)データ品質

会話の内容は、うまく行われているものから、あいまいであったり、全く矛盾するものなど、さまざまである。

調査結果と同様にリスニングの結果は、合意された品質基準を満たしたデータの存在の有無に左右される。

そのようなデータが存在することによって、モデルや統計、結果、提言、ブランド・アクションについて確信を持つことができる。

リスニング関連の企業は、多くの場合、データの妥当性や信頼性を保証する品質管理を行っていることが、我々の調査で明らかになった。

ある企業は、品質管理は非常に重要であると認識し、他社と差別化するものであると考えている。

このようなデータの認証と信頼によって、リスニング方法が発展すると考えられる。

この意味で、現在が業界のデータ品質基準が確立される上で絶好の機会であると言える。


★姉妹ブログ みんなのMR.COMもよろしくお願い致します。



《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》

0 件のコメント:

コメントを投稿