2011年4月11日月曜日

4月4日号及び11日号はお休みです。ご了承下さい。

2011年3月21日月曜日

ブランド・リスニング(傾聴)事例の紹介 (9) ブランド再構築とリポジショニング ④

<第50回>




Steve Rappaport The ARF Listening Playbook
リスニング・マーケティング:Social Media時代の新しい消費者調査 の第42回目です。


「第2章 ケース・スタディ:リスニングの活用」の第16回目です。


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製品やサービスを会話の話題に合わせる:金融サービスの事例


もし現在あなたが、金融会社を経営しているならば、投資家や預金者、クレジットカード保有者あるいは政策に、どのように売り込むべきだろうか。

とりわけ制度への信頼が底をついた後に、人々はフォークロージャーによって家を失い、彼らの年金口座の価値が急落した。

悲惨な状況下にもかかわらず、人々や金融機関は、なおお互いに問題と取り組み、より強固な基盤を取り戻す必要がある。

ある代表的な金融サービス機関は、人々が議論している重要な話題を理解しようとした。それによって、タイムリーで適切な商品特徴やその新たな提供に対応し、ブランドの状況を改善することができると考えた。

リスニングのフルサービス・ベンダーであるCollective Intellectを使って、クレジットカード発行会社は、サービス商品やクレジットカード、それらの供給者、特に彼らのブランドや顧客について消費者の感情を理解しようとした。

会話の動機を特定するために65万以上の投稿の分析を行った。

Collective Intellect社のCEOのDon Springerは、結果を次のように要約している。消費者は、残高や期間の変化に関心がある時でさえ、クレジットカードを使う利点を考えている。

特にCollective Intellect社は、次のような指摘を行った。消費者は、クレジットカードの供給者を非難するよりも、責任ある支出や、負債の軽減、インセンティブや報酬について情報を共有し議論していた。

クレジット会社は、人々が非難以外に、次に何をすべきかについて、賢明で実用的な議論を行っていたことを発見した。

Collective Intellect社のレポートによると、これらのインサイトによって、新しい商品や提供する特徴や、否定的な感情を和らげ、消費者に最も関連するベネフィットについてのブランドへの親和性を増加するためのメッセージを考え出すためのクライアントの能力が強化された。

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*このブログは毎週月曜日中に更新されます。

2011年2月14日月曜日

ブランド・リスニング(傾聴)事例の紹介 (8) ブランド再構築とリポジショニング ③

<第49回>




Steve Rappaport The ARF Listening Playbook


リスニング・マーケティング:Social Media時代の新しい消費者調査 の第41回目です。


「第2章 ケース・スタディ:リスニングの活用」の第15回目です。


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重要な問題にブランドを関連づける:
ダブ・キャンペーン:リアル・ビューティの事例

2004年に導入されたDoveのReal Beautyキャンペーンは、最もよく知られたリスニングのサクセス・ストーリーの1つである。


女性と美や、美の定義、美への満足度のレベル、美の自尊心への影響、マス・メディアやポップカルチャーの美に対する見解の関係性を実証した国際調査によって開発された非常に機敏なリサーチ・インサイトに、キャンペーンのルーツが存在する。


たった2%の女性しか、自分が美しいと思っていないというキー・インサイトが、キャンペーンのミッションを提供した。


それは、今日の美に対するステレオタイプ的な見方を拡大し、自分をもっとケアするように女性を勇気づけることによって、より多くの女性が、どこにいても、美しいと毎日と実感するように。


あらゆる姿の女性のイメージとして有名なキャンペーンは、強く問題に焦点をあて、女性がDove Campaign for Real Beautyのウエッブサイトや、Facebookグループで、議論や討論をするように刺激することに専念した。


ソーシャル・メディアによって、彼女らがコメントを行ったり、他の女性やDoveの専門家、ブランドの伝道者と関わることを可能にした。


キャンペーンが、新しいリスニング・リサーチによって展開されたということは、あまり知られていない。


2004年の“The Real Truth about Beauty: A Global Report”という最初のレポート以来、その後の研究は、全体像をよりつかむために、異なった視点から研究を行っている。


2005年に出された”Beyond Stereotypes: Rebuilding the Foundation of Beauty Beliefs”の研究は、10カ国の自尊心の研究を行った。少女や女性の圧倒的多数は、彼女自身について何かを変えたいと思っているが、3分の2はその社会状況から回避しようとしている。


2006年に出された“Beauty Comes of Age”は、9カ国の50歳以上の女性に、美と年令について調べた。それによると、ほとんどの女性が、彼女らの容姿、特に体型に対して、社会の目は好意的でないと感じている。


2008年の“Real Girls, Real Pressure: A National Report on the State of Self-Esteem”のレポートでは、8歳から17歳の少女の自尊心について研究を行った。70%の少女が、彼女らの顔や、学校での勉強、友人や家族との人間関係において、満足する基準に達していないと感じている。


最近のDoveの改革キャンペーンは、自尊心の問題に焦点を当てている。


研究のために、Doveは、Dove Self-Esttem Fundを設立した。そこでは、少女専用の自尊心ゾーンをサイトに付加し、理解や改善、肯定的な自尊心を促進するための内容や経験を提供している。


Dove Campaign for Real BeautyはDove.comのマイクロ・サイトである。


Dove.comは製品のサイトである一方、キャンペーンは、自尊心に関連した内容を通して、全体のサイトに影響を与えている。


Doveは、歩きまわり、語り続けた。つまり、アドバイスと広告の役割の面で女性をうまく活用した。


ビジネスの観点から見れば、キャンペーンとリスニングは、女性を共感させ、関与するイニチアティブをとった。


例えば、およそ300万近くが、Dove Self-Esteem Fundに参加し、それがブランドの業績に変換された。


2004年からの入手可能なデータは、非常に魅力的な影響を示している。


世界での売上は、会社の予想を上回り10億ドルを超えている。


今日、ユニリーバの企業サイトによれば、Doveは世界でトップのクレンジング・ブランドで、80カ国で25億ユーロ以上の売上をあげている。(ユニリーバ、2009)


Doveのキャンペーンは、ブランドの活性化と会話のリスニングの有効な事例を示している。それは、女性と少女の生活を基本的かつ根本的な方法で、究極的に改善するかもしれないという社会的パーセプションを変える会話である。


もしDaveが単にキャンペーンをマーケティングの実践として扱っていたならば、キャンペーンはこれほどまでには成功しなかったであろう。


誰もブランドの物まねを望んでいなかった。

自尊心の問題を上手に扱い、女性が彼女らの考えや、コメント、示唆を表現できるようにすることによって、Doveは、すべての参加者の個性を認識し尊重した。さらに積極的にリスニングを行い行動をとった。


結果が示しているように、間接的に選好を生みだし、販売を刺激することによって、Doveは利益を得た。


争点志向のキャンペーンを考えるブランドは、含まれるリスクを認識すべきである。


努力による成功を妨げるような挑戦が起こる。


それゆえに、反対の意見を聞き、どのように対処するかを決めることは非常に重要である。



*次回は、金融サービスの事例の紹介です。


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*このブログは毎週月曜日中に更新されます。